この十数年の間、自己愛が強烈過ぎる夫から逃れる何人もの奥さんの手助けをしていたが、自己愛性パーソナリティ障害とは思えないようなヒドイ夫というものも見たり聞いたりしてきた。 自己愛であれば、自分への注目や賛美、支配下に入る等であるが、相手となる奥さんを徹底して潰す・壊すがメインのようなダンナが随分と出没してきた。 指示を出す、言われたことをすれば「そんなことは言っていない、何を聞いているんだ」と罵倒しながら掃除をしろと指示を出し、「なんでそれをしている晩飯を早くしろ」と二重命令いわゆるダブルバインドで縛り、オマエはそんなことも分からないのか、オマエはバカか、といった罵詈雑言の連続だったり・・・。
家事をしていると何も言わずやってきて、間違いやミスが無いか指摘するようなことが無いかチェックしたりと、こんなことをしている夫がどんどん湧いてきた。 こういったことはDVに該当するし、その中の項目「精神的虐待」つまりはモラルハラスメントに相当する行為だ。 がしかし、それを奥さん自身が知らないから「怒られる自分が悪い、注意される自分の落ち度」と考えて毎日ビクビクした生活を繰り返し、それを何年も何十年も続け、ホンモノの奴隷になってしまっている。 奴隷になったら次はもっと面白い遊びを考え出すのが彼等「冷酷な自己愛者」であるので、今度は奥さんが潰れていくように訳の分からない命令を出し続け、怯えた日々を続くように仕向けて行く。 こうなると哀れな奥さんは本当の病院送りになってしまう。 早く気付けば回復可能であろうが、その酷さに気付かずダンナの言うがままに生きていくことで、ついには精神崩壊、精神が破壊されてしまうのだ。 なにしろ「何をDVというのか」「どれがDVか」「モラハラの問題点」ということを全く知らない人が被害者のだから、そんな結末になる人がたくさんいるのも理解できる。 酷くなって自殺する人もたくさんいると思うのだが、実態は誰にも知られないということが恐ろしいものである。
被害があって精神科に通うようになって、たまたまうちのYouTubeを見て相談してくる人は後を絶たない。攻撃的な夫でそれが性格だと思っていたという人もいるし、イヤだと思いながら一緒に暮らし、毎日罵倒されたり脅されていた人もいる。
そして世の中にこういった病気、精神疾患、気質を持った人がいるということを知らずに暮らしてきて、夫の悪い点を自分が治してあげようと思い日々努力していたりと、何を好んでそんな暮らしを続けているのかと聞きたくなるような人が現実にいる。
相談したら傾向が分かって、それが病的なものだと知り、そこから自分の将来を真剣に考えるという流れが多い。