調査依頼の面談をして話を聞いていると
「こんな酷い事は探偵さんでも滅多に聞きませんよね」
と言われることがある。
DVやモラハラされて、そこに浮気のダブルパンチを食らってヘトヘトになっている奥さんがそう言って来る。
25年もやっていると心の中では「イヤイヤ、まだまだ甘いよ」と思ってしまうこともあるが、当事者としては初めての経験であるから、当然「そうだね、そりゃ酷いよね」と答える
しかない。
しかし、その酷さというのは比べてどうの、という問題ではないのだ。
人によって受容度は違うしガマンの限界も違う。
暴力などの程度も違うのだから比べることに「意味はない」と思う。
自分が酷いと思えば酷いのだ。
それに対して他人がどうのこうの言うものではないし、そんな資格もない。
調査の面談でもこうなんだから、相談であれば「もっと酷い話し」がどんどん出て来る。
酷い話し、変わった話し、となれば他の探偵よりも多いだろうし、他の相談よりも多いかもしれない。
そんな話しをたくさん聞いていると、「酷さの基準」がだんだん上がって来て、一般の人が思う酷さが「普通の事」に思えて来る。
「何が酷い話しか」「何がトンデモナイ話しか」がよく分からなくなっているのは確かである。
同じように相談やメンタル便利屋では「普通では考えられない」ような事を相談されたり、頼まれたり、要求されることもある。
これも、感覚がマヒしてきたせいか、「ゲゲー」と思うようなことが普通になってきている。
ということで、暫くの間はそんな話しを出していこうと思う。
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暴力関連の話しばかりだとウンザリしてしまうので、それよりも探偵にくる変わった相談や依頼、メンタル便利屋に来る変わった相談や依頼を中心にしていこう。
まず初っ端は、奥さんが夫の浮気を疑い調査を依頼してきた時の話し。
「浮気しているようなです」ということから調査依頼は始まるが、「なんでそう思うのか」「その証拠はあるのか」といった事を聞く。
そこで返って来る答えがけっこう面白い。
1.40代主婦からの依頼
この十数年、毎月10回以上sexしていたのがこの2か月まったくしていない。
ということで「これってどう思いますか?」「絶対に他でしていますよね?」という問いかけである。
特に病気も無ければ、急激に性欲減退が起きた訳でもなかろうから「どう考えても誰かいる」と想像するのが順当である。
2.やはり40代主婦からの依頼
10年余りsexレスだったのが最近突然するようになったが、
「今までした事のない体位だった」「した事のない事を要求された」ということで、
「絶対どこかで覚えたんですよね?」「誰かとしたはずですよね?」と聞かれた。
その内容を知らないと答えようがないので聞いてみると、なるほど「そりゃ相手次第だわ」というものであった。
3.60代シングル不倫女性からの依頼
相手は昔の同級生で妻子持ち、さらに夫婦仲は悪く奥さんから虐げられている男。
不倫相手の彼とはうまく行っているが「最近あまり家に寄らない」「する回数が減った」という話し。
そのくらいはあるだろうと思っていたら「出る量が少ない」「どこかでしている」と言い出す。
そのくらいの歳ならそんなに出ないだろ、と説明はしたが怪しんでいた。
その後「彼来ました」という連絡があり「良かったジャン、したの?」と聞いてみると
「しましたよ」「だけど10分ですよ」。
10分ならまだいいかと思っていたら「家入ってきて、出るまでが10分なです」「バカにしてませんか」と怒りまくり。
牛丼屋で注文して食べて出てくるくらいの時間で済ますのも「お義理」だわな、そりゃ怒るわ。
不倫もいいだろうが、それじゃ相手に嫌われるだろ、ということでセッセと相手の尾行張込みを続けたのである。
4.50代夫の浮気を疑う妻からの依頼
関西方面からの依頼で2週間くらい出張したもの。
sexレスの生活が続いていたが「どうもオカシイ」ということで依頼をしてきた。
行動パターンが分かっていたので毎日セッセと追い続け「女」の姿を発見。
さっそくその姿を依頼人に見せると絶句。
「この人、親戚の●●の奥さんです」と言われた時には驚いた。
結局、親戚の奥さんとラブホに3回行っていた。
どうして東京のオレに関西からの依頼が来たかというと、地元の何件かの探偵に相談したら断られたそうである、なんでだろう?
他にもいろいろあるが、浮気発覚の場合はだいたいこんなケースが多い。
「突然しなくなる」「突然回復する」「回数が大きく変動する」「初めての体位」なんてのは男がやりがちかもしれない。
自分では大丈夫と思っていても「女性の勘」は人智を越えているので簡単にバレる。
浮気調査の依頼を受けて来て思うのは「やっぱり男はバカだわ」ということだ。
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