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執筆者の写真oryza63

DVモラハラ・浮気や不倫で起きる重症症状「複雑性PTSD」

PTSDというのは大きな災害や事故を目の当たりにしたことで、それを経験した場所に行くと「あの災害・事件」を思い出すフラッシュバックが起きる現象。

場所だけでなく、音・臭いといったものでも過去を思い出し身動きできなくなったり、泣き出したりもする。

一過性とも言われているが、その症状は数ヵ月から数年続くと言われる。


対して「複雑性PTSD」というのは、恐ろしい経験や状態が長期間続いたことで「心に傷」を負った時にでる。

分かりやすい例は「戦争や戦場での経験」や「人質」などがある。

こういった経験が数ヵ月から数年続くと通常のPTSDよりもキツイ症状が出る。


鬱病、双極性障害、悪夢、対人恐怖、被害妄想やその他妄想、敵意、といったモノが出て来る。

そして原因不明の体調不良として「悪性愁訴」がある。

例えば、朝起きたら背中が痛く「寝違えたかな」と思っていたら、本当は複雑性PTSDによる悪性愁訴からの症状だったりする。

肩がこる、頭が痛い、眠い、食欲がない、気力が湧かない、意欲がなくなった、というのもこれが起因している。

戦争映画等で「帰還兵」が悪夢に苦しむシーンがあるが、あれも複雑性PTSDである。


これと同じ事がDVモラハラ被害者には出て来る。

出先で、クシャミをしたオッサンの大きな声を聞いて「身体が固まった」人もいるし、飲食店でお皿が割れる音を聞いて固まった人もいる。

その音が当時を思い出しフラッシュバックするのである。


自分が経験した浮気や不倫で酷い目に遭った人でも、その時に掛かっていた音楽、香水の香り、相手のヘアースタイルでフラッシュバックということもある。

言葉、それも相手が言った言葉と同じものが出て来ても反応する。


複雑性PTSDは厄介なもので、「何が」大元なのか分からない。

分からないどころか、その時経験したものすべてが原因になってしまう。


これの治療法は「話すこと」くらいである。

自衛隊の災害派遣で死者をたくさん見た隊員も複雑性PTSDを起こす。

そこで使われる手法も、その日の夜に小隊ごとのミーティングで皆が話す方法が取られている。

その日経験したことをその日のうちに吐き出して、悪化するのを防ぐのである。

これはアメリカ軍でも同じである。

たぶん戦争経験をした軍隊はどこでもやっているはずだ。


DVモラハラ、浮気不倫で起きたイヤな経験は「その時」話すこともできないし、誰かに話すこともできないので、どんどん溜まり続け心を壊すのである。

しかし、そのままにしていては「廃人」になってしまうので、後からでもいいから吐き出す作業を続けること、途中で止めず続ける事である。


恥ずかしい、思い出したくない、そんな理由で吐き出さない人が多いのだが、それが一番悪い結果を招くパターンである。

思い出したくない、と言っていると強烈に焼き付いて、それが心の奥底に封印された状態で格納される。

されるけど、確実に表に出て来るので、封印は不可能なのである。

これをするから心理学でいう所の「投影」が起きて、周囲の人への憎悪や敵対心が強く出て来る。

そして回りから人がいなくなる、友達がいなくなって誰も寄り付かなくなるのである。

これが孤立となって社会と隔離された生活、つまり引きこもりになったり、本当に山奥に住んで仙人のような暮らしをする「世捨て人」になってしまうのである。


声に出す事、話す事、これは人間にとって重要なものだし、さらに言えば「複雑性PTSD」解消の特効薬である。

精神科で薬を処方されて治すより、嫌な思いを吐き出す方が回復が早いといえる。





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