歌舞伎の出番の合図で役者に声を掛ける事らしい。
だから漢字だと「番掛け」か。
これが転じて「声掛け」をバンカケ、「バンをかける」という。
警察では相変わらず使われていて、「職務質問」での声かけを言う。
探偵をしているとバンを掛けられる事は多いのである。
かといって探偵が誰かに「ばんかけ」することは殆どない。
そんなことをしたら「不審者」でしかなかろう
とはいっても住宅街や団地マンションなどで、ターゲットについての情報を取りたい時はバンカケならぬ立ち話作戦である。
それも年寄り相手に話すのである。
こうやって話し込んでいろいろ聞き出す、深い話し、細かな情報を期待するのは無理だが、けっこう聞ける。
こういった情報の宝庫といえるのはバーチャンであろう。
昔は「あの人に話したらすぐバレる」という事で「放送局」とか「NHK」なんていうあだ名を付けらる人もいたようだ。
年寄りはヒマだし情報に飢えている面もあって話し好きだし、いろいろと情報を握っている。
全国放送ではないにしても、地域限定のミニ放送局とどっこいである。
この方法は都内でも十分使える、実際にあの町この町で使ってきた。
今は使う場面もほとんどないが、何かの拍子に話しが始まるとオモシロイ事が聞ける。
「あの会社の社長は浮気が奥さんに浮気がバレて離婚になって、慰謝料相当払ったらしく会社も畳んでしまった」とか、
「あそこの焼き鳥屋の大将が営業中に倒れ、そのまま死んだ」とか、
「あそこにある弁当屋のオヤジには女がいる。それを奥さんは知らずに暮らしている」とか、
「あの家の息子は強姦事件起こして刑務所に行ってる、来年の●月出所だ」なんてのもある。
さらには、「●●の跡地には今度、●●が建つらしい」といった情報もかなり早い段階で掴んでいたりもする。
年寄りの情報恐るべしである。
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