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執筆者の写真oryza63

自己愛が無くなると、人はどうなるか

自己愛というと「蛇蝎(だかつ)の如く」嫌う人が多いが、哲学でも心理学でも重要なものとされている。

異常なくらい強くなてしまった人が問題なのであって、これが弱くなってしまうといろいろ弊害が出てくる。


自己愛が低い人に起きる問題として次が挙げられる。


1.自己愛が低すぎる人に起きるのは、「自己肯定感」の低下である。

低下というが、ある意味「自己否定」といってもいいだろう。

自己愛が低くなる原因としては、生まれてから今までの間で与えられてきた愛情が「少ない」ことが挙げられている。

それによって自分を愛せない、大事にできない、認める事ができないといった状態になる。

愛着障害のある人も同じで、愛情不足はこういった悪影響を人生に及ぼすことになる。


2.自己愛が不足することで、他人からの評価や承認に極度に依存するようになってくる。

これは自己愛が不足=自己価値の認識が不足するという図式になる。


3.自己愛が欠如していると、ストレス耐性が低下する。

困難な状況や失敗に対して脆弱であり、ストレスを効果的に管理することができない。


4.自己愛が不足すると、うつ病や不安障害などのメンタルヘルスの問題が発生しやすい。

自己否定的な考え方やネガティブな感情に囚われやすく、精神的な健康が損なわれる。



このように自己愛は人間にとって重要な要因なのだが、多くの人は「悪いモノ」として見たり、表現するので勘違いする人も多い。

「自分を愛する」という言葉自体が悪く捉え勝ちだが、英語では「love oneselfで肯定的な意味があり、パーソナリティ障害で出てくる「ナルシシズム」は自分を愛する、自分だけを愛するといった意味合いがある。

ここには「性的」な意味での「愛」が含まれている。

日本語ではこの表現が曖昧というか、ごちゃ混ぜになっていて本来の意味から遠く離れている。

哲学では「自分を愛せない人は、他人を愛せない」とまで言われている。


さっき上げた4つの問題でも、自分を愛せないことで排他的になり対人関係もうまく構築できなくなり孤立する。

うつ病の人はこの傾向が強くなるので、人との関わりを避けることになる。


皆に通用するとは限らないが、自己肯定感が低下している人の場合「愛情の欠乏」というのがあるので、それを充足することが大切である。

これはちょうど、子供に対して「抱きしめる」「頭を撫でる」「褒める」といった事を母親がするのと同じで、実際にそれをすることで落ち着いてくる。


愛情欠乏、つまり愛着障害から起きている現象も多いので、現在の症状だけに注目するのではなく、過去からの環境についても調べる必要があるのは当然であろう。

目の前の事だけに注目すると、本来の原因を見逃すことになる。




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