虐待やモラハラといったDVをされている奥さんはずいぶんといますが、どんなことをされ続け、どうなったかという話しをしましょう。
何人かの会員の方の話しをまとめていますので、その実態についてよく知って理解してください。
今回はモラハラ、言葉による虐待が中心のケースで暴力はでてきません。
多くの場合、虐待やモラハラは結婚してから始まることがほとんどです。
その理由は、籍をいれることで「逃げることがカンタンにできない」ということで、夫が安心するからなのではないかと思います。
結婚する入籍する、そこが奴隷契約の成立と思っているのかもしれません。
もちろんそんな夫ばかりではありませんが、ごく一部にはこういった考えを持っているケースもあります。
結婚前の交際中からこんなことをしていたら入籍はあり得ません。
ただ、あなたやあなたの両親や親戚について嫌みを言うのであれば、結婚後は加速しますので将来予測ができます。
さて、多くの場合、結婚して早ければ1~2か月、平均して数年の間に虐待が始まります。
特に、最初の子供が生まれてからが加速されます。
最初は命令口調となって、あれをしろ、これをしろ。
あれをやっていない、いつやるんだ、といったものもあります。
目についた欠点をどんどん指摘して、それを直せ、自分を変えろ、といって責めてきます。
指摘したことができないと、その理由をしつこく問いただして反省させたり、「親の教育がなっていないからだ」等と親の責任論まで出してあなたとあなたの両親を罵ることもします。
無能だ、バカだに始まって、頭がおかしい、知恵が足りない、といったことから、オマエは自閉症だ発達障害だ、というものまでいろいろ言ってきます。
掃除しろ、洗濯物を片付けろ、食事を作れ、といろいろ命令してきますが、多くの場合、それらをほとんど同時に言ってきます。
身体は一つしかないので同時にできるはずがありません。
しかし、彼等はそれを指示してきます。
夕飯を早くしろ、と言いながら、作っている最中に風呂が汚い、洗濯物を片付けていない、等と言ってきます。
それをしないと大声で怒鳴ったり暴れたりする夫もいます。
騒ぐから仕方ないので、夕飯作りの手を止めて、片付けや掃除を始めると、「夕飯はどうなってんだ」と言い出します。
「これが終わったらやるから」と言えば、「逆らうのか、オマエは能力がないからできないんだ」と言い出します。
結局、何を最初にしようが、どう説明しようが、納得しません。
どれも同時にする、同時に仕上げることを強要してくるのです。
こういうことを続けていると、次からは怒られないように、といろいろ準備して取り掛かることになります。
しかし、彼等はそれを台無しにします。
夕食の時間に間に合うように作っていれば、「今日は家で食べたくないから外で食べる」と突然言い出します。
「オレは腹が減ってるんだ、もういい」と言い出して、食べに出る事もあります。
作っている最中に「オマエは作るのが遅いから、今日はオレが作る」と言い出して割り込んでくることもあります。
家の中の片付けを事前に終わらせて安心していても、できていない部分を探し出してそこを突いてきます。
他の用事を言いつけて、予定通りに進まないようにすることもあります。
そしてできなければ、オマエは能力がない、発達障害だ、などと言いいます。
こういったことを毎日繰り返されると、奥さん自身は「自分の能力が足りないのではないか」と考えるようなります。
そして自信を失い、自己肯定感もどんどん下がっていきます。
モラハラも虐待の一部ですが、こういった虐待行為が毎日のように続けば、遅かれ早かれ奥さんの心は壊れていきます。
夫に怒られないように、毎日ビクビクして暮らす。
怒られないように、あれをしてこれをして、と考えを巡らせて常に動き続ける。
そして怒られたら、卑屈になって下手に出て、ゴメンナサイ、ゴメンナサイとひたすら謝り続けるようになります。
最初のうちは反発して口論になるのですが、夫のイヤミ、嫌がらせの命令、そして能力が低いという言葉の繰り返しでだんだんと抵抗する気力を失っていきます。
夫が奥さんをモラハラ等で虐待する時は、ほとんど言葉によるものですが、ここ一番という時には暴力やモノに当たるといった行動で力でねじ伏せたり、脅してきます。
以前はこういった暴力が多かったのですが、ここ最近では言葉や態度を使った虐待が増えています。
また、わざと後ろから押して躓かせたり、転ばせたり、といったこともしてきます。
夜、暗い家の中に知らないうちに物が置かれ、それに躓いて階段から落ちて骨折した人がいました。
自宅前の砂利道を夫と歩いている時、夫がわざと足を出してきて躓かせて転ばせ、骨折した奥さん、後ろから突き飛ばされて転んで、ブロックで膝周辺をザックリ切った奥さんもいます。
また、奥さんが振り向いた時に椅子に座っていた自分の背中に膝が当たったことで、「蹴ってきた」と大騒ぎした夫もいます。
大騒ぎして、それを根拠に自分へ暴力を働いた、DVだと言い出すケースもありますし、こういった些細なことを大事にして警察を呼んでDV案件として申告するケースもありました。
虐待をする夫、こういうことをする人は、自分さえ良ければ、というより、奥さんが悪者になるのであれば、どんなことでもしてきます。
暴力もそうでしょうが、ウソもそこに含まれます。
自分が善い人で、奥さんが悪者となるように細工して、ウソを作り出します。
家でDV虐待をする人は、ほぼすべて外面を良くしています。
家で本性が出ても、外では仮面を付けていて、誰もその本性を知りません。
何年も外で善い人を演じてくれば、周囲の人はそれが本当の顔だと思い込みます。
その言葉も事実だと思い込みます。
悪い事に、こういった虐待について、被害者である奥さんは誰にも相談しません。
恥ずかしい、自分が悪い、等と思い込んで親にさえ言っていないケースが殆どです。
となると、事実を知っているのは自分だけ、夫の本性を知っているのは自分だけという孤立無援の状態になってしまいます。
言わない事は、存在しないこと。
奥さんが言わないから、そんな虐待はこの世に存在しないことになってしまいます。
事実、会員である奥さん達、探偵の調査で会ってきた奥さん達は、誰からも助けてもらえない、それどころか、「悪い妻」「最低の女」と周囲から言われていたり「家庭を放っておいて浮気している妻」等というとんでもないレッテルを貼られてしまっていました。
相談しようにも、「アンタが悪いからそうなったんだ」「ダンナの面倒をちゃんと見ないからそうなったんだ」「自業自得だ」といった言葉を返されて絶句しています。
もっと酷いケースでは自分の両親にさえ「オマエが悪い」等と言われ、そこで初めて夫が自分の両親にまでウソを言っていたことを知った人もいます。
DVにしろ、モラハラや虐待にしろ、相手である夫は、自分が悪者にならないようにしています。
奥さんが夫の命令に縛られて自己嫌悪に陥っている間に、周りを固めて行っています。
精神的に問題がある妻を庇いながら、努力している良い夫、というイメージ作りに励んでいるのです。
ここまで来るのに早ければ10年未満、だいたいが10年から20年余りの期間で作り上げています。
そしてその後はこういった虐待がずっと続きます。
その間には、「オマエおかしいから病院へ行って来いよ」と精神科での治療をしつこく勧めてきます。
虐待の連続の後には、「オマエはおかしいから病院へ行け」という言葉が新しく加えられます。
虐待で自己肯定感を失くし、自己嫌悪に陥り、そして自分がオカシイのではないか、と思っている人にこんなことを言えば、その気になってしまいます。
本当はもっと早く気付いて、なんとかしなければいけなかったのに、遅れたことで自分の心が壊されてしまうのです。
心の傷は早く気付いて、早く処置しないと大変なことになってしまいます。
虐待を受けている間に、ストレスから奥さん自身が自傷行為をするようになったり、アルコールに依存するようになったりもします。
眠れない日が続くことで妄想が出て来ることもあります。
誰かが自分の悪口を言っていると思い込んだりもあります。
また、夫の指示や命令が無いと動けない、完全にロボットのようになってしまい、他人のいう事さえ信じず夫の言葉だけに従うようにもなってしまいます。
これでは心が壊されたどころでなく、完全に心を乗っ取られた状態です。
DVや虐待、モラハラといったものは長期間に渡って被害を受け続けます。
そしてその傷はPTSD、それも複雑性PTSDとなって後々現れてきます。
出て来る症状は大きく分けて4つあります。
1. 再体験症状
フラッシュバックや悪夢。
その情景を思い出すばかりでなく、感情や気分だけが再生されることもあります。
動悸や胸の圧迫感、息苦しさといった身体の反応を伴って意識が狭くなって、もうダメだとパニックのようになります。
2. 回避麻痺症状
フラッシュバックが起きないように本能的に辛い出来事があったこと自体を、記憶から消してしまったり、他人事かのように淡々と対応する反応です。
頭が真っ白になるという解離症状もこれです。
3.覚醒亢進症状
些細なことでキレやすくなります。
無茶な行為や自傷行為をしたり、ビクビクして驚き易く、集中力が低下して、夜中に悪夢で飛び起きるといったことが出ます。
4. 感情調節障害・・・認知・気分の陰性変化
自分には価値がない、自分はいない方がいい、全部自分が悪い、独りぼっちだ、誰もわかってくれない、誰も愛してくれない、
何にも興味がもてず何も楽しいことがない、といった考えです。
これは、トラウマの影響として自分に沁みついて起きる障害です。
たとえ虐待から解放されたとしても、回復するには長い期間が掛かります。
一緒に暮らしている時は、精神の吸血鬼となって養分を吸い取り続け、別れてからも複雑性PTSDとして影響を残す、精神の殺人者と言えます。
こんな家庭環境の中で暮らしていくことは幸せといえるでしょうか。
どの人も「離婚はよくない」という考え、親の教えを守ってきました。
また、中には「私が夫を治す」と考えていた人もいました。
おかしい、ヘンだ、と思いつつ暮らしてきた人もいます。
その結果はどうかといえば、自分の心がズタズタになって、回復に長い時間が必要になってしまったのです。
こういったことはあちこちで起きています。
オカシイ、怪しい、ヘンだ、と思ったら一旦立ち止まってよく考えてください。
そして相談してください。
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