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  • 執筆者の写真oryza63

眼の色が本当に変わる人たち

更新日:2023年6月30日



昔から使われる言い回しで、目の色を変えて、とか、目の色が変わる、といったものがあります。目の色が変わるとはどんなことか、どんな色になるのか、と子供の頃は思ったものです。

これは、夢中になる、没頭するといった時に使われますが、調査の依頼人、相談やカウンセリングで話しをした人の中には、夫が起こった時に目の色が変わったと言う人が随分といます。

もしかしたらその瞬間を、あなたも見た事があるかもしれません。


家で夫から激しいDVを受ける、暴力を受ける、そんな被害に遭っている奥さんから、夫の浮気調査というものを依頼されることがよくあります。

というか、浮気調査をする人の多くはDVがセットになっていることが随分とあります。


依頼人と面談していると、首を絞められた、突然怒り出して殴られた、壁を蹴って穴を開けた、といった話しを聞きます。

そんな時、夫の目が吊り上がっているだけではなく、明らかに目の色が変化している、と言います。

どんな色か?

よく聞くのが、黒目が大きくなる、というものです。

黒い瞳が大きくなって白い部分が少なくなっていると言います。


他には、目全体が灰色ががって見える、相手は目を大きく開けているのに、黒目と白目の境がハッキリせず、全体的に灰色っぽく見える、といったものです。

恐怖で色が薄れて見えるのか? と最初の頃は思っていましたがそうでも無いようです。


何故なら、相手が暴れ出した時、暴れている時ばかりでなく、話しをしていて突然キレる時に目の色が変化している、という人もかなりいるからです。

何気なく話していたら、目の形が変わり同時に黒目が大きくなった、そして突然暴れ出した、ということを言ってくる人が多いのです。


以前、統合失調症の診断を受けた家族についての話しを聞いた時、その依頼人は、「人格が変わる時に目の色が変化しているんだよ」と言っていたのですが、どうやら暴れて大騒ぎする人の中ではこの傾向、特徴は共通しているようです。


私はいろいろな人と会って話している時は目を見ています。

それが礼儀だから、という訳ではなく、目を見ているとその人の心の動きがなんとなく見えてくるようなのでそうしているのです。

実際、顔は笑っているけれど目は笑っていない、という人もいるし、相手の言ったことをこちらが否定した時、そしてたぶんそれにカチンと来た時に目の色が黒っぽく変化して見えた人もいます。

こちらの気持ちの問題かそれとも、そんな感じがしただけなのかは分かりませんが、私にはそう見えました。


仕事で会ってきた人の中にも、相手が顔をそむける直前に見えた目が黒かった、振り返った時に目が黒く見えた、ということが何人かでありました。

で、そういう人は後々必ずと言っていいほど、トラブルの原因を作ったり、揉め事を起こしたりしていました。

不思議なものです。



相談やカウンセリングで夫がこうなる、と言ってきた人の話しをいろいろ聞いてみると、その直前の会話が分かってきます。

口論して問い詰めていた、というケースもありますが、多くはいたって普通の会話です。


●今日の天気は良くないね、雨が降るらしいよ

●洗濯物を取り込んでくれない?

●お風呂を沸かさなきゃ

●晩御飯が少し遅れるから


こんな会話の、何が引き金になって怒り出すのか、誰が考えてもさっぱり判りません。

こんなことを言って、振り向いた相手の顔を見たら、黒目が大きくなっていた。

こんなことを言ったら、話していた相手が突然黙り込み、目が全体的に黒く見えた。

ホラー映画と同じです。


多くの場合、こうなった次の瞬間に攻撃を始めています。

殴る、首を絞める、汚い言葉で罵ったり、言葉で攻撃する、といった行動ばかりです。


怒ってその場を立ち去る、自分の部屋に引きこもる、といったことをした人は夫婦間では今のところいません。

どんな形にせよ、必ず攻撃を始めていました。

私が知っている限りではですが。


そして、使う言葉、声のトーンも変わることもよくあります。

まさしく人格が入れ替わった状態といえます。

これは統合失調症の場合によくあることですが、自己愛性パーソナリティー障害や妄想性パーソナリティー障害でも、統合失調症のある種の傾向や症状がでることもあるようなので、障害の段階を越えているのかもしれません。



目の色が変わって激しく攻撃する、こんな行動はどれくらいの時間続くのかというと、それはだいたい30分とか1時間といったケースが多いようです。


その後は、何事も無かったように元に戻っています。

中には、攻撃している間のことをまったく覚えていない人もいます。

敢えて思い出さない、口に出さないのかもしれませんが、本当に覚えていないのであれば、これはもう多重人格といえます。


多重人格は、他の人格と入れ替わっている時は、完全に別人になっているのでその間の記憶は残りません。

ですから、元の人格に戻った時に、「こんなことを言った」、「あんなことをした」と説明しても記憶はありません。

しかし、暴れていた時の人格に入れ替われば、当然覚えているのです。


映画やドラマなどで、こういった人物が登場することもありますが、ほぼ「その通り」で、当たってます。

「ウソだろ」と思うでしょうが、事実です。

こういったことで崩壊する家庭というのもありますし、崩壊しなくても奴隷化してしまった家族というのもあります。



攻撃的ではないけど問題行動がある人もいます。

実家に帰った時、夜遅く、弟の部屋で5人くらいが集まって話をしているようなので、ノックして入ってみたら弟一人だけしかいなかった、という話しをだいぶ以前、もう20年くらい前に依頼人から聞いたことがあります。


みんなで一つの問題について話し合っている、そこで注意されている人、その人を激しく怒る人、あるいは優しく庇う人、問題について論理的に話す人など5人が登場していたそうです。

独りごと、ではなく、5人ごとを言っているんだよ、と怖がっていました。


その弟は統合失調症の診断を受けていましたが、解離性同一性障害、つまり多重人格の症状も出ていて、他の人格が出ている時の事はまったく覚えていません。


しかし、当人はいたって穏やかで、仕事も普通にこなしていました。

ただいろいろな問題を抱えてきた結果、精神科に通うようになっていただけです。


彼の眼の色が変わっていたのかは分かりませんが、目の色が変わるのは多くの場合、攻撃的な人格やそういった意識に変わる時のようにも思えます。

人間の心理というより精神というのは不思議なものです。











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