ネットやテレビ、雑誌などで「あれが悪い」「コイツが悪い」「日本がこうなる」といった批判的、悲観的な報道や声が多いが、これについて考えてみよう。
心理学的にいうと、「怒り」は人は扇動するのに最適な道具である。
怒りで人は纏まりやすいし、そこに新たな怒りが合わさってさらに大きな声になり易い。
古来、こうやって人々は扇動されてきた。
これを「プロパガンダ」というのである。
政治宣伝や政治的な誘導で、宣伝工作である。
今は政治的目的を持ったものだが、遥か昔それこそ数百年以上前は単なる「広告宣伝」という意味だったらしい。
それが政治的になってきたことで、広告宣伝には「マーケティング」という名称が与えられた。
こうやって区別されるようになった。
プロパガンダは世界でよく使われるので見たことがある人も多いだろう。
その際に痞える手法としては
●怒りで扇動する
●共通の敵を作る
●人々の不満を利用する
●理屈よりも感情に訴える
●みんなのプライドを持ち上げる
●メッセージより雰囲気
●肯定的なウソをつく
等々いろいろなテクニックがある。
まだまだたくさんあるが、取りあえずはこれくらいにしておく。
使えるモノは徹底して使い、叩けるモノは徹底して叩くのが常である。
●●ブームといったものもいろいろあったが、これもやはり「それを流行らせたい」という意思があって流していたと思った方がいいだろう。
「今●●が流行り」とか「今時の●●はこれが標準」といった言い方も、聞き手にスンナリ入り易かったり、流行に敏感は人にも刺さりやすい。
そして、敏感でない人も「へぇーそんなのが流行っているんだ」と思い込んでしまう事もあるので、けっこう使えるキャッチコピーでもある。
インフルエンサーという商売もあるが、あれだって「お金をもらって」宣伝している訳なので「1人電通」のようで信じやすい人を集めて洗脳しているようなものである。
そもそもインフルエンサーが外国政府から資金提供されて、その国に有利な発言をしていたのがバレて捕まったケースもある。
お金で動く、金のために商売している、という事をみんなは「敢えて見ない」で信用しているのであろう。
イギリスはこういった事が得意な国で、そのための海外謀略活動は古くからやってきた。
それを紹介した本の中で書かれていた言葉で
「宣伝とは、他人に影響を与えるように物事は述べること」
というのがあった。
まさにそうで、信じる信じないではなく、「影響」を与えることが重要なのである。
「信じなかったら意味ないじゃん」と思うだろうが、信じる人を集めた組織を作ると同時に、信じない人のための組織という2系統を作り、そこで洗脳していくこも視野にある。
賛成派だけを作るのではなく、反対派に対してもアプローチできるように作るのだ。
そうすればどちらの組織についても内部情報は取れてしまう。
湾岸戦争の報道で有名になった「アル・ジャジーラ」というカタールにある24時間放送のニュース専門局がある。
ここは中東関連には強く詳しい中東の放送局である。
しかし、ここの設立にはイギリスのBBCが全面的にバックアップして資金や人材、設備やノウハウを提供した。
イギリスと中東は植民地問題もあって微妙な関係ではあるが、このアル・ジャジーラを通して鮮度抜群の詳しい情報が入ってくる。
しかも、放送に流す前にイギリスに入る、なんならインタビュー録画すべてが手に入る。
さすが「日の沈まない国」と言われただけあって世界中に網の目のような情報網を持っている。
脱線したが、人を誘導しようとする側はいろんな策を使って影響を与えようとする。
それで誘導されてはタマラナイが、そういう手口を知ることで自分の仕事に応用できることを知るべきだと思う。
最近の報道を見ていてそんな事を思った次第である。
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