1980年のアメリカ映画で「普通の人々(Ordinary People)」というのがあった。
これ、中流階級の家族崩壊を描いていて、今の時代にも通用する内容である。
特に、精神科医の弟への対応が興味深い。
家族崩壊といっても浮気だ、不倫だということが原因ではない。
気弱な夫と、気が強い妻、水死した兄と残された弟、という家族で起きる葛藤や弟に起きる精神的問題が題材である。
兄の水死というキッカケがあるが、今だったらもっとたくさんのキッカケがあって、それが崩壊の要因になっているだろうな。
それは昔も同じか。
正にドストエフスキーの「幸せな家庭はどこも同じように幸せだが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である」という言葉通りだ。
不幸の要因はいろいろあって、何がそうさせるか分からないくらいある。
幸せだと思っていたら不幸になってしまった、という事もよくある。
アップダウンもよくある。
映画に出て来る精神科医は患者である弟に対して、簡潔な質問を繰り返すことでたくさん話しをさせ、心の奥にある「問題」を見つけ出そうとする。
「なんでそう思う」「どうしてそうした」といった問いかけが多い。
「そうそう、カウンセリングてこれなんだよね」と思うような対応である。
結局は、患者本人がたくさん話す事で自分の問題点を炙り出していく、それを見つけ出すことが重要だ。
となると、どうしても時間が必要になるし、落ち着いた雰囲気の中でしたいものである。
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