ふと、思い出す事で「あの会社に就職してたら」というのがある。
高校の頃、憧れていた会社である。
一つ目はアメリカの「ブーツ&クーツ」、今はハリバートンというアメリカの多国籍企業の傘下になっている。
元々、テキサスの会社で数十人程度だったと思うが、当時は油田火災の消火専門の会社であった。
今では、原油流出処理・石油ガス田火災爆発処理など、石油災害対応分野で世界最大手になっている。
油田というか油井は、地下からパイプを通して原油が上がってきて、それを地表にデカいバルブを置いて吹き出しをコントロールしている。
それが地下からの圧力に耐えられなくなって吹き飛ぶと、原油が上空に向かってシャワーのように噴き出す。
そこに火花が散ると一気に火炎放射器状態となって手が付けられなくなる。
そこで、炎を消化してバルブを付け直すのだが、消化方法は「炎」の根本付近で火薬を爆発させ酸素を大量消費して10~20分の間にバルブを付けるのである。
昔は、ブルドーザーに長いブームを付けてそこに爆弾をセットして接近していた。
ブルドーザーは鉄板で武装しているが、耐熱力など無く、オペレーターは耐熱服を着て運転して近づく。
それでも高温である。
江戸時代の火消しが半纏姿で火元に突入するのと同じようなものだ。
これ「命がけ」である。
その命がけに憧れた、完全に憧れだけであった。
イラクがクウェートに侵攻したイラク・クウェート戦争ではイラクが油田や油井を破壊したため、あちこちで原油が数十メートル以上噴き出し、そこに火がついてエライ事になったため世界中の油田火災消化会社が参加して消化していた。
次、二つ目。
これは「日本サルヴェージ株式会社」である。
明治時代の創業で「海難救助」専門の会社である。
サルベージというと大型クレーン船を持つ、深田サルベージや寄神建設が知られているが、あっちは海洋土木建設であって、こっちは完全に海難救助専門である。
戦争中は国策会社となって「日本海難救助株式会社」だった。
沈船引き上げ、座礁船の離礁などいろいろしている。
なんでそんな会社がいいのか?
そもそもどこでそんな会社を見つけて来たのか?
と言われたが、憧れたら誰もが探すだろう。
しかし、ブーツ&クーツもそうだが、除隊後に軍での任務を応用して新しい仕事を作り商売するのはさすがである。
救急救命士も衛生兵(パラメディック)から始まったようにも聞いている。
ビルの爆破解体も軍の工兵だしな。
航空貨物大手のフェデラルエクスプレス(FedEx)の創業者も海兵隊出身だったし。
アメリカだけではない、LINEだって韓国軍の通信部門の幹部連中が立ち上げている。
翻って日本は、となると難しいな。
警察でも消防でも、その他公安職でも「商売」が成立しにくいからな。
技術や技能、知識や能力が「宝の持ち腐れ」状態である。
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