愛着障害が複雑な心理を生み出す
他人に対してやたらと馴れ馴れしい人、誰にでも甘えたりする人がいます。
初対面でもベッタリ抱き着こうとしたり、自分の事をなんでも話してしまい、秘密を全部言ってしまう人もいます。
人の注意を自分に引こうとして派手な格好や、ぶっ飛んだ発言をしたり、と言う人もいます。
こういった傾向を持つ人の多くは、愛着障害と言われます。
愛着障害というのは、なにかしらの理由で、養育者との心理的な結びつきが上手く作れなかった。
そして、それが原因で、対人関係などのトラブルが生じる状態のことを言います。
養育者というのは両親。特に母親を指し、身の回りの世話をして育ててくれる人のことです。
愛着障害は医学的な言葉、名称ではなく、心理学用語です。
アタッチメントと言われますが、これは愛着を指していて、「養育者など特定の人との情緒的な絆」を表す言葉です。
例えば、赤ちゃんお腹が空いたり、不安を感じた時には、泣くことで気持ちを表現します。
このとき、養育者は赤ちゃんの元へ足を運び、その原因を取り除きます。
つまり、声掛けや触れあいなどのコミュニケーションを通して、子どもは自分の養育者が誰なのか、3ヶ月を過ぎる頃には理解するようになります。
このタイミングが愛情形成における第一歩です。。
そして、子どもは、養育者との愛着を通して、人への信頼を感じたり、心理的な安心感を得ていきます。
愛着の形成はだいたい、生後6ヶ月~1歳半までが大切な時期と言われています。
だから、この時期に養育者から引き離されてしまったりすると、愛着の形成に問題が生じる可能性が出てきます。
引き離しだけではありません。
養育者が子供に無関心、無責任であればやっぱり愛着障害になり、こういった家庭が機能不全家庭でそれをするのが毒親とも言われます。
この時期に愛着形成に問題があると、その後の人生に影響が出てきます。
小さい時に、親が子供との絆を作り上げることをしなかった、親との絆作りがうなくいかなかったことで、人との絆作り、関係作りがうまくいかないのです。
人との関係性が築けない事で、その時その時で相手に合せて自分を変えていることになります。
変えていくのは、考えや態度といったものもあって、その都度ウソの自分を見せている、ウソを言うことで自分をその人に合った人間として見せていることになります。
そうやって、毎回ウソを言いう事で自分の本来の姿が見えなくなり、自分が分からなくなってきます。
大人になって愛着形成に不安を感じたときの対処法としては、いろいろ解説されていますが、心の拠り所をつくることが一番重要のようです。
精神的ストレスなどが溜まって疲れた時、安心して休める「環境」です。
愛着障害を克服するためには心が落ち着く場所、相手が必要不可欠です。
ありのままの自分でいられる場所や、なんでも話せる人が一番必要になります。
そして自分を肯定する、自分は自分という考えを持つ、他人と比較しない、つまりは、今の自分を認めて受け入れることが必要です。
愛着障害を起こすと、自己否定や自己肯定感の低下がよく言われます。
親との絆を築けなかったことで、そういった関係を作ることがうまくできない、どうやったらできるのか分からない、ということもあります。
その結果、寂しく感じる、孤独感を持つといったことになります。
それを紛らわすため、そうならないために、誰かに近寄り、頼ったり、注目を集めようとすると思われます。
共依存のようにも見えます。
ウソを言うことでボーダーにも思えます。
自分を過大に見せる事もあるから自己愛傾向とも思えてきます。
注目集めるための行動が演技性パーソナリティー障害にも見えたりします。
対人関係をうまく作れない所は、発達障害やADHD、アスペルガーにも見えます。
行動や言動に、うんっ?と思うような事が多い人は、愛着障害が起きていることもよくあります。
そこから遡ってみると、親との関係性が見えてきたり、家庭環境が見えても来ます。
小さい頃、赤ん坊の頃に経験すべきことを、していないと愛着障害になりますが、これは本人の責任ではないし、本人が悪いのでもありません。
そもそも、完璧な子供時代を経験している人だってそんなに多くは無いかもしれません。
となると、誰しもこういった傾向を持っているのかもしれません。
愛着障害が出ているなら、もういちど愛着形成をし直したり、心の拠り所を作ることで改善します。
何でも話せる相手というのが身近にいると、そこが心の拠り所にもなるので再形成にはいいのですが、そういった人を見つけ出すのは難しいモノです。
そこが改善を難しくしているのかもしれません。
愛着障害に限らず、自分を褒めてくれる人や、肯定してくれる人というのは、誰にとっても重要です。
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