酷いDVやモラハラを受けて別居や離婚を考える人、浮気されたことにショックを受けて離婚を考える人。
こういった問題から自分の将来を考える時がある。
決断して行動しなければならない状況だが、普通に考えても決断が鈍ってしまう。
探偵として関わってきた人、相談で関わってきた人の中には、鈍るどことか、決断できない、右往左往するばかり、元の鞘に戻ろうとする、極論を言い出す、テンパって考える事を辞めてしまう、怒り出す、そんな傾向が出る人もいた。
友達に相談してこういった行動が出て、友達が去って行った、友達がキレてしまい相談に乗ってくれなくなった、という人もいる。
発達障害でもこんな行動が出るので「それなのか」とも考えられるが、それは愛着障害から起きているのかもしれない。
実際、そんな人と話していく、昔に遡って話をして行くと子供の頃に親子関係の中で問題があったりした人ばかりだ。
大人の愛着障害を解説書などで見ると、
「幼少期に愛着関係が十分に形成されなかったことが原因で、大人になっても人との間に信頼や親密さを築くことが難しい状態のことを指す」
とある。
愛着とは「その相手がいなくなると寂しい」といった感情や関係性のこと。
子どもであれば、親が無条件に愛情を与えて関係を深めるが、親がそれをしないと子供がそれをしてもらうために親に働きかけてくる。
例えば、問題行動をして親の注意を引く、勉強をたくさんして親に褒められようとする、といったものがある。
親が求める事を一生懸命して、それで認めてもらおう、というものある。
無条件で愛情を与えられないから、子どもの方から「これならどうだ」といろいろアクションを起こして親の注意を引くわけだ。
愛着障害のある大人は、相手の求めに応じて努力する、際限なく努力する。
相手の注意を引くためにいろいろする。
そして、その相手が離れて行かないために、もっと努力する。
DVモラハラが酷い夫となかなか別れようとしない人の中には、愛着障害を起こしている人もたくさんいる。
酷い事をされているのにどうしてそんな事になるのか。
それは、その相手や場所が本人にとって存在価値を認めてもらえる唯一のものだからである。
そんなの他にもあるだろう、探せばいいだろう、と思うだろうが、本人は探す事より、今の相手や場所に安心している。
そこを離れて探す事を恐れているのかもしれない。
そうなるのは、自己肯定感が低かったり、自分の存在価値が分からず自己否定している所があるといえる。
こういった人が離婚などに際して、決心したり決断するのは難しいもの。
自分の選択は正しいのか自信がないから、いつも心が揺らいでしまい誰かの意見に引っ張られてしまう。
相談するたびに考えが変わっていれば、友達もイラつくのは当然といえる。
どの人も、フラついているその意見ばかりに目が行ってしまう。
そうなる原因は何かなんて考えてはくれない。
表面しか見ないで相談に乗るからイラつくことになる。
ましてや、数十年前に遡る過去についてなんて話題に出ないし、もしかしたらそこに問題があるなんて思いもしない。
只の、気持ちが揺らいでいる人、優柔不断な人くらいに見ているから分からない。
もともと信頼関係を気付けている友達が少ないので、イラついて友達が去って行くともう相談できる相手がいない。
深刻な問題なのでちょっとした知り合いに話せるわけも無いので、自分で決めるしかなくなってしまう。
決断できないので右往左往して、やっぱり今まで通りがいいかもしれない、となる。
しかし戻るにしても、本当にそれがいいのか、という疑問が湧いて、どうしようか迷う、これを繰り返すことになる。
自分の事を自分で決めようとしてこんな事態が起きる。
反対に、相手があなたを混乱させようとしてこれを作り出すこともある。
例えば、出て行け、と言ったのに、暫くして、ここでやり直せ、とか行く場所が無いぞ、と脅すケース。
二律背反、トレードオフ、ダブルバインド、のうような指示命令だ。
その結果が良い方向へ向かうならいいのだが、往々にしてこれは相手の思うつぼ、相手にとって都合の良い結果に向かう。
そしてそれをするのが、DVモラハラ、支配束縛をする人間である。
結局、愛着障害を持つ人の場合、その人の行動や言動という表面的な部分を見て、解決策を考えても、また同じ事を繰り返す。
もっと根源的な問題を解決しないと一生、その問題行動を続けることになり、一生だれかに騙されたり利用され続けることになる。
大人の愛着障害の克服や治し方を調べると、
1.心の安全基地をつくる
2.困っていることを整理する
3.無理に人と関わらない
この3つが必ず出てくる。
1.心の安全基地をつくるとは
安心して休める「環境」のことで、心を落ち着かせられる場所。
親から受け取れなかった愛情をパートナーや友人から獲得し直すのもひとつの方法と言われる。
2.困っていることを整理するとは
「愛着障害を持つ人は、過去のトラウマや傷ついた感情に向き合うことが困難になる傾向があるので、自分自身が抱えている問題や困っていることを整理することが愛着障害を克服する上で大切な要素のひとつ」と言われている。
とは言うが、これはそれを言葉や文字にして自分が理解する必要がある。
愛着障害は、自力で克服するのは大変なので誰かに手伝ってもらうことになるのだが、ここで自分の困っている事を言葉にして説明する必要が出てくる。
だから言葉が必要なのだ。
3.無理に人と関わらないとは
大人の愛着障害の特徴として他人の目を気にし過ぎるなど、被害妄想が生まれやすいため、無理に人と関わらないことも重要なポイントのひとつ、と言われる。
これは自分の根源的な問題を理解する前に、人と関わるから起きるのであって、自分の弱点となっていることを知る前に焦って交流するから問題が起きるのだと思う。
愛着障害は多かれ少なかれ誰にでもあるもの。
問題にならない人も多いのだが、私が会ってきた人の中にはそれがネックになっている人もいる。
重要でなくても決断決心することができないケースだってある。
他力本願、依存性が高い、ということになるが、誰かに決めてもらったとしても、その結果に文句を言い出す、それを決定させた人を悪く言ったり呪いもする。
傍から見ると、自分勝手、自己チューな人間でしかない。
もしこんな傾向、愛着障害の傾向があるなら、たくさん話す事で、それを発見して改善する、少しでも良い方向へ向けるようにしないと、自分の首を絞める事になるので気を付けてないといけない。
あなたがこんな問題を抱えているのであれば、オリザリサーチに是非相談を。
Comments