後妻業と言う言葉が有名になったのは2012年の小説、そして2016年に映画化されたのがキッカケらしい。
それ以前、昭和初期には、資産家をターゲットにして結婚離婚を繰り返す人は既にいたようだし、時代は変わっても生き残っていす。
うちでも怪しい案件があった。
妻とは別れ何年も人暮らしする70代後半の資産家、子ども、とはいっても既に40代の息子が一人。
この息子からの相談が始まり。
高齢の父が再婚したいと言い出した相手が40代の女性、出会ってから半月で結婚したいと言い出し、半同棲の状態。
さらに、自分が持つ土地を分け与えようとしているが、オカシクないだろうか、というものだった。
この話しが来たのは、小説が出る以前で、後妻業なんてのはまったく知らなかった。
調査を引き受けて、その女性の過去を洗い出す作業を始めて見ると、結婚離婚を何度か繰り返し、その期間も10年未満というものばかり。
相手男性たちを調べたら、皆、不動産を持っているが、どの人も結婚期間中に担保にしたり、売却したりと、偶然にしては似たような形でお金を作っていた。
直近の状況を調べてみると、不動産に移動があった頃に、お金が彼女の口座に流れていた。
調べた資料を報告書にして渡し、この件は終わったがその後の話しでは父親は結婚を取りやめたらしい。
けっこう燃え上がっていて話しをなかなか聞かなかったようだが、取りあえず参考として過去にあった事件の概要を添えていたので、それを使って説明したらしい。
ただ、結婚しようと思っていた彼女は、手切れ金を要求してきたのでいくらかを渡して終わりにしたとのこと。
彼女が本当に後妻業の女だったかは分からない。
もしかしたら本当に好きで一緒になりたかったのかもしれない。
そうなると、不肖の探偵が人の恋路を邪魔した事になるが、こんな怪しい過去を持つ女性はやっぱり怪しいとしか言えなし、愛だの恋だの言えるような状況ではなかった、と思えばスッキリする。
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