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執筆者の写真oryza63

大学講師の不倫相手を調べる

依頼人は大学の音楽科で講師をしていて、その相手男性の二股三股不倫を調べるという依頼が以前あった。

どことは言えないが、住んでいる所から他県の仕事場までは車で1時間くらいの地方都市であった。


依頼が来て話を聞いてみると、自分が学校のホームページに載っているというので興味本位で見てみた。

さらにコンサートもやっていて活動も盛んである

年齢は50歳でシングル、一人暮らし。

相手は隣の市に住んでいる医者であった。

奥さんも医者で、二人で開業していた。


病院ではなくクリニックという形態だが、建物も大きく、その地域では目立つ存在であった。

依頼人から聞いてみると、夫婦仲は悪いとまではいかないが破綻状態で、奥さんは定期的に東京で他のクリニックでも仕事をしているようだ。

定期的、それも月に6日程度出張しているので自由な時間は随分とある。


大学講師と会ったり他の相手と会ったりで忙しいのであろうと思うが、講師の家にはちょくちょく来ていたそうだ。

講師とはいっても学校にビッタリではないので、お互い時間の融通は利かせやすい。


こういう中での浮気調査の依頼であったが、オレのうちから遠いのである。

18時頃から23時くらいまでの張込み&尾行であったが、うちから片道3時間くらい掛かり、それを月に数回というものであった。

往復6時間というとけっこう疲れる。

これが連続したものであれば、現地でホテル住まいというのもあるが、飛び飛びでは「通勤」するしかない。


最初の尾行の時、現地へ行ったら自宅に「車」が見つからない。

大きなガレージがあるから、そこに隠しているのかと思ったが延々待っても出てこない。

事前に聞いてある「それらしい」車も出てこないし帰ってもこない。

その旨をメールで連絡すると、暫くしてから電話で「車を買い替えたらしい」という気が抜けてしまうような回答。

初っ端からコケてしまったのである。


半月ほどして再挑戦となったが、ゴルフの打ちっ放しばかり行く。

20時を過ぎ、21時を過ぎ、22時頃になると空いて来るがそこで「女」がやって来て親しく話す。

次の尾行張込みでもやっぱりこの女が出て来る。

そうして女の車を確認し、そこから住所氏名を割り出し、いろいろ工作をして親密な現場を確認したのであった。

これでとりあえず「二股」は確定した。


都合10回くらいの出張調査であったが、週一が週二になって、周三までペースがあがってしまった。

夕方からの仕事なら楽だろ? と思うだろうが通勤は往復6時間ほどである。

遅れてはマズイので早めに出るし、現地は高速を降りて30分くらいの場所であった。

相手の女が分かってからは、さらに時間が掛かってしまったので、もっと大変であった。


しかしである。

仕事場も自宅も相手の家も、うちから100キロは離れている。

よくもまぁ、うちの事務所を探し当てたものである。

地元の市は無いにしても、地元の県内には探偵が他にもいるであろうに。

まぁ、こういった「遠方」からの依頼はうちにとっては普通なので驚かないが、どうやって見つけているのかだけは毎回不思議である。


調査依頼で「あの町へ行って」というのは分るが、「この町に来て」というのは遠い人からも来るので不思議だ。

場所を聞いて「それだったら地元の探偵に頼んだ方が良い」とは言っているのだが、指名してくる。


尾行や張込みの依頼は方々から来る。

北海道、愛知県、福島県、新潟県、ビューンと飛んで熊本県といった関東とは縁遠い地域からであった。

沖縄からというのもあったが、これは一か月間という要請だったので流石に断った。

こんな所に行ったら絶対バカンス気分になってロクな結果にならんだろ。

いったいオレは何をやっているんだろう?






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