「このあいだタテヤマに行ったんですよ」とある人から言われ、「お~春の立山か、景色良かっただろうな」と思っていたらどうも話がオカシイ。
よく聞いてみると富山県にある北アルプスの「立山(たてやま)」ではなく、千葉県房総半島の「館山(たてやま)」であった。
まるっきり「あさっての方角」である。
こういうのってあるでしょ?
「●●と言ったら●●」と頭の中で定型パターンができていて、まずそれが第一の答えとなる。
ある種の「認知の歪み」でもある。
以前はタクシーの行先間違いでもよくあった。
「渋谷」と言ったら「日比谷」に行ったとか、「稲城(東京の)」と言ったら「稲毛(千葉の)」に行ってしまったという話があった。
語尾の発音次第で聞こえ方が変わるし、頭の中に定型パターンができているのでこうなってしまう。
奈良県の大和郡山と福島県の郡山も間違えるかもしれない。
オレも横浜に住んでいた時、東京の友達が「東大和」に住んでいたので都内から車で送った事があった。
東大和なんぞ知らなかったので、大和市(神奈川の)に近いんだろう程度で送ったらエライ遠周りで散々な目に遭った経験がある。
しかも夜中の1時過ぎだったから周りの景色も余り見えずで大変だった。
地名の短縮形も間違いやすいな。
神奈川だったら「ムサコ」と言えば「武蔵小杉」だが、東京多摩地域だと「武蔵小金井」である。
横浜の伊勢佐木町は「ザキ」だったし、「寿町(ことぶきちょう)」は「ブキ」だった。
地名単体でも間違える事があるが、字が同じでも読み方が変わってくるのもある。
東京に「立川(たちかわ)」という所があるが、四国辺りでは「たぢかわ」になるし、瀬戸内海の向こう側に行けば「たつかわ」とか「たてかわ」というのもある。
字が違う所もあるが、聞いただけでは勘違いする。
最近の事では、仕事の打ち合わせで合流場所を確認した時、先方から「西武線の石神井公園(しゃくじいこうえん)です」と返ってきた。
西武線は池袋線と新宿線があり、それぞれに石神井(しゃくじい)という名称が付く駅がある。
ということで、こちらからの返信は「西武池袋線、石神井公園駅ですね」となる。
西武新宿線は「上石神井」だが、部分一致で勘違いする人がけっこういるらしい。
こういった点も、定型パターンができていると「相手も知っていて当然」となるので危ないのである。
聞き間違え、というとアルファベットも間違えやすい。
よくあるのが「E]と「D」である。
「E-5番だからね」と言ったのに相手は「D-5番」に行ってしまうなんてこともある。
フォネティックコードを使えば間違えないのだが、知っている人は特殊な人だからな。
「エコーの5番だよ、デルタの5番じゃないからね」等と言い合っている人は見ないな。
業種ごとの言い回しだと、船に乗る人が「レッコ」という言葉を使うことがある。
「Let go」で放る、投げるといった意味がある。
「ロープレッコしろ」」でロープを投げろということだ。
これが定着している人は、ゴミを渡してきて「レッコ」とか「レッコして」という時もある。
「ゴミ捨ててね」という事だ。
いろんな言い方、いろんな読み方、そしていろんな地名があるもんだ。
これで勘違いも起きるし、「へぇ~」と驚くこともある。
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