話しをすることは大事だ、大切だと言われるが、それは相手にちゃんと理解してもらって、その趣旨を分かってもらわないと意味が無い。
さらに、お互いが意見や考えを言うことで相手の事が見えて来る。
普段の生活でも、友達や夫婦であろうと恋人であろうと会話することで相手の考えが見えてくると思う。
しかし、一方的に話をする吐き出すだけで終わっている人が多い。
特にうちに相談してくる人達の関係はそんなものが大半だ。
相手にメンタルの問題があればなおさらである。
話しをすることで相手が分かってくるはずなのだが、声に出して吐き出しているだけの生活をしているようで、それは会話ではなかろう。
また、会話したとしても相手に合せた言葉の使い方もあるはずなのだが、そんなことお構いなしに専門用語を出したり、業界語や流行語を使うとなると、会話の大前提である「相手に理解してもらう」というものから大きく外れてします。
つまり、相手に理解してもらわなくてもいい、という考えになっている。
ここで「相手もこの言葉は分っているはず、分っていて当然」という前提で話しているとなると、相手を考えず話すだけ話すという境界性パーソナリティー障害やアスペルガー症候群の傾向が出ている事になってしまう。
また、話しをしていても相手の考えを否定したり批評することがあるなら、それは会話ではなく議論になってしまう。
こういった話しの仕方になると会話が楽しくなくなるし、もっと話したいという思いも消えて行ってしまう。
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相談ではたまに、マッチングアプリで知り合った男性との会話やチャットが一方的過ぎるとか、態度が大きく上から目線で話してくる、というものがある。
会員の中には、そんな相手が次に何を言ってくるか観察している女性もいて、「こんなことを言ってきたよ」と報告してくる人もいる。
メールのコピーを送ってくるが、その内容は「お前はどれだけエライんだ?」というような文面だったりする。
「●●日は休みだから出てこい」とか「来月の●日に会いたいから来い」なんてのもあるし、「交通費送るから来い」なんてのもある。
交際相手だと「●●食べたいから買ってこい」なんてのもある。
もはや対等な関係なんぞない。
それでその女性がいいなら何も言わないが、往々にしてこういうのについて行くタイプは愛着障害を起こしている女性である。
依存があったり、命令されることが好きだったりする。
で、そういう相手の男も依存傾向があったり、束縛や支配が強くてイヤになってしまうタイプであることが多い。
どっちもどっちなのだが、相手の話し方や態度を見れば一目瞭然なのに理解できていないのだろうな。
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自分の頭がオカシイのかと思ってしまうほど、人は会話をしていない。
それとも、会話というものが時代と共に変わってきている、相手の気持ちを知るための道具、ではなくなっているのだろうか?
夫婦や交際相手との会話然りで、彼等はいったい何を使って相手の気持ちを知るのだろう?
テレパシーなのか?
うちで受けている相談などは、会話ではないので一方的に話し来るのは当然だ。
だから別に違和感はないが、時々、自分の考えを一方的にこちらに押し付けてくる人がいる。
まぁそれもヨシとしているが、あんまり気持ちの良いものではない。
もしかして、こんなことを友達同士の会話でしているのであれば問題があるだろう。
会話は議論ではないのだから「相手に勝とう」等と思うこと自体間違っていると思う。
相談者の例だが、知り合った男に「●●を読んだよ」とか「●●という映画を見た」「この小説家はいいね、あの監督はいいね」と言ったら「それじゃ、アレは読んだ?見た?」と返され「それはまだ」と答えたら、「アレを見ていないなら、この作者を論じる資格はない」等とトンデモナイ言い方をされた人が何人かいる。
これはもう会話ではなく議論だろう。
付き合っている者同士の「会話」とは言えない。
共感がないし、相手を思う気持ちもない。
そんな関係でも「恋人」とか「交際相手」というのはオカシいんじゃないか?
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