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うつ病への入り口はどこにでもある

まず、うつ病とは違うが、昔会社勤めをしていた頃だから20代の頃、仕事の関係で1か月余りの間、睡眠時間が大幅に削られた事があった。

数人のチームで昼夜ぶっ通しという仕事で、あちこちの部署と打ち合わせたり業者と打ち合わせたり、しかもそれが昼夜、夜中関係なく積み重った事がある。

前半で睡眠時間が2日で1時間~3時間、しかも通しで取れず仮眠のようなチョロット寝るだけ、しかも床と椅子にすわってというのが連続した。

後半になって毎日3時間くらい取れるようになった。

この時、半月で体重が15キロ余り落ちたのである。


若かったので乗り越えたが、前半終了近くになったら「幻聴」が聞こえるようになってきて、「こりゃ死ぬな」と思った。

時間の感覚も狂ってきて「昨日」の事が1週間以上前の事のように思えたり、記憶力が低下して覚えられなくなったりした。

動きを止めると寝落ちしたりもした。

この時「睡眠」が健康には重要で、それを削ると、頭がオカシクなり、命が危ない、という事を実感した。



探偵を始める前までしていた自営の仕事の時、考える事や悩みが多過ぎて「眠れない」時期があった。

眠れない、眠くならない、寝たとしてもスグ目が覚める、そして再度眠ることができなくなる、という悪循環が始まった。

この時、気力が落ちてしまい人と会うのが面倒になり会話もしなくなった。


たまたま友達が家族問題から鬱傾向になった経験があって、こういった方面に詳しく、毎日長い時間会って話してくれて孤立することはなかったが、それでも回復は難しかった。

眠れない、話したくないをしていたら、今度は歯が痛くなり歯医者で診てもらったら「昔の治療痕」が膿んでいて、歯だけではなく顔が痛くどうにもならなくなった。


歯を治したら今度は「頭が痒く」なり、搔くと毛根の付いた皮膚がポロリと剥がれる、という恐ろしいものを見た。

痒くてたまらないのだが、掻くと皮膚が剥がれ毛根も一緒に取れていく、という散々な状態である。

これは参ったと思っていたら、先の友達が「それはうつ病だ」という事を教えてくれて、念のため自分が通っているクリニックへ連れて行ってくれたのである。


しかし、クリニックへ行っても20分程話しをして、後は薬を処方されただけであった。

数回飲んでみたが、何も変わらないし身体に合わなかったので止めてしまった。

結局、薬ではなく友達の助力で回復した。

たぶん半年くらいの間、鬱々としていたがいつの間にか戻ってきたのである。


その後探偵の仕事で精神科医が依頼人だったことが何回かあったので、うつ病やその回復についていろいろ聞いてみたが、薬を使う場合それが長期化したり、薬に頼りそれが無いと不安でしょうがない、という人が多い事を知った。

また、精神科医自身もうつ病になる事も知った。


「これが原因」という事もあるが、多くの場合「正体不明の不安」「たくさん不安」から陥るようである。

正体不明・たくさんの不安などといったら、そんな落とし穴のような事は「どこにでもある」訳で、うつ病の入り口は無数にあるようだ。


そして精神科医が言うには「たくさん話す」「たくさん吐き出す」「自分の気持ちを誰かに伝える」事が重要で、「話したくない」「会いたくない」「眠れない」となってきたら「そこがうつ病の入り口を入った所」と言われたのである。

マジで地雷のようなもので、どこにキッカケがあるか分からないものである。


一発目の20代での睡眠時間が削られるような仕事では幻聴が聞こえたり、体重の激減があったが、あのまま進んでいたらうつ病になっていたかもしれない。

そして二発目を食らって初めて「うつ病の症状」というものを理解して、その怖さを実体験したのである。




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