ニュースで新型護衛艦「もがみ」が舞鶴基地に配備された記事があった。
ツラツラ読んでみると基地の係留所に係留されたのだがそこが、
「北吸(きたすい)係留所」となっていた。
京都府、舞鶴、北吸、となれば水上勉の小説「飢餓海峡」に出て来る地名だ。
昭和37年に出た小説だが、当時の地名がいろいろあってオモシロイ。
博尖岬(ばくちみさき)、アンジャ岬など、まだ残っている地名もあるが消えてしまったもの、検索しても出てこないものも多い。
北海道に始まり、青森、東京、京都府と展開していく内容である。
北吸と書いてあるのを見て飢餓海峡を思い出した、ただそれだけなんだけどね。
オモシロイ地名といえば山口県長門市に含まれている半島で、
「向津具半島(むかつくはんとう)」というのがある。
ムカツクである。
変わった地名、珍地名は全国にあって東京にもある。
奥多摩には「雨降り(あめふり)」、「人里(へんぽり)」「お祭り(おまつり)」なんてのがある。
「人里」が「へんぽり」とは不思議であるが、昔、今から40年くらい前、夜中に友達と車で小河内ダムの方から山を越え五日市町へ向かった時、まったく人気のない山道をひたすら走り続け「人家が無いなー、人里はどこだ?」等と言い合っていたら信号機があってそこに「人里」と書かれていてビックリし、大笑いしたことがある。
懐かしい地名でもある。
ここは今から10年くらい前に再訪した。
電車の駅でけっこう知られているのが秩父鉄道の「小前田(おまえだ)駅」だろう。
車内アナウンスは「次はおまえだ」だし、乗り降りするドアの上部に付いている電光版には「次はオマエダ」とデスノートにでも書かれたのかと思うようなメッセージが出て恐怖すら感じる。
秩父鉄道には「波久礼(はぐれ)駅」もある。
静岡県浜松市の天竜区、町から相当奥に入ったところには「月」という集落がある。
そこの道路看板は有名である。
本来の月は地球から36万キロであるが、ここからなら「たった3キロ」である。
空間の歪みが隠されていてワープするのかもしれない、と妄想してしまう。
この先をずっと進むと佐久間ダム、佐久間発電所があって、佐久間周波数変換所がある。
日本の電力系統の中継地でもある。
佐久間ダムは難工事の末に完成したが、それは黒部第四ダムに匹敵するものであった。
ここは感動する場所である(個人的には涙するくらい)。
飢餓海峡からだいぶズレたが、あちこちに珍地名はあって知るとオモシロイぞ。
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