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執筆者の写真oryza63

「ねぇ、もっと話してよ」と言われること

こう言われるのは探偵の話しとか相談のはなし、その他仕事関連で関わった事の話しや裏話についてである。

話せるもの、話せないもの、絶対話せないようなもの、などいろいろある。


「絶対」とはいっても、こういった公式の場所で書けない・言えないものなので1対1の「非公式」な場でしか言わない。

探偵の仕事だってそうそう言えないようなことがあるので難しいものである。

話したらそれこそ「サイテーの人間」と思われるかもしれんしな。


世の中「何が善で何が悪」なのか分からないもので、せいぜい法律に違反しない事が善と言えるのであれば、オレがやってきたことは「悪」に属するものであろう。

これはある公務員との会話でもあった。

どちらも似たような事をしていて、善か悪かと問われれば「完全な善」ではないのである。


それこそジョークであった、

「樽一杯に入ったワインに、汚物を一滴垂らせば、樽一杯の汚物になる」

「樽一杯に入った汚物に、ワインを一滴垂らしても、やっぱり汚物一杯の樽」

といったようなものである。


いろんな事に手を貸してきたが、調査などを除けばハッキリ言って「個人の悩み解決」に手を貸すことの方が増えている。

浮気調査などもそうだが、それよりももっと身近な問題にである。


以前も書いたが、手術の立ち会いなんぞもそうである。

シングル、友達いない、いてもこんな事は頼めない、親戚いない、いても遠い又は絶縁している。

そんな理由で立会を依頼してくる人だっている。

こういった事を知ると「本当に疎遠」な関係、「疎遠な社会」になっている。


調査で会ってきた人、それも高齢の一人暮らしでは「洗濯物をコインランドリーで洗濯してきて欲しい」というものもある。

話し相手のついでなのは確かであって、その証拠に神奈川とか千葉、群馬といった所から依頼してくる。

洗濯のために遠いオッサン(ほとんど同年代だが)を呼ぶわけないので、これはあくまでついでの依頼である。


「お茶する、ドライブする、といった依頼もあるよ」と言っているが、これも調査や相談で馴染みになった人たちで、どの人もシングルである。

「早くいい男をめっけろよ」とは言ってるが、彼女達にはその気はほとんど無く、「結婚はコリゴリだ」と返される。


みんな友達はいるが、その友達にさえ「言えない事、話せない事」があって、時々煮詰まってしまうのである。

そうまでならなくてもたまに「自分の本性を知っている人間」と話しをしたくなるようである。

実際、「小林さんは私のドロドロとした、女の部分を知っているから」と言ってきたりもする。

どんなドロドロかは知らんが、「おどろおどろしい」「悪魔のような」「狂った面」は見てきたので何となくわかる。


もっと話してよ、もっと聞かせてよ、というリクエストはそうだな、メンバーシップの動画でちょぼちょぼ話そうと思う。

もちろん、話せるものをだけど。



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